Home » 08.死 » さようならの物語 » 労苦を共にした柳行李

【死生観・スピリチュアルケア・グリーフケア・わたしを生きる】

労苦を共にした柳行李

いかがお過ごしでしょうか? 庵主 彩晋です。

大正生まれの方の葬儀でした。

お柩の近くに、大きめの柳行李(やなぎごおり)が置いてありました。

故人が18歳で、故郷の田舎から都会へ働きに出る時に、身の回りの物を詰めて、柳行李ひとつで出て来られたそうです。

若かりし頃、仕事のために、いくつかの地を移った時にも、いつもその柳行李に荷物を詰めて引っ越し。引っ越し先の自宅では物入れになって、押し入れの中に。

故郷を出てから、80余年。

かの地へお旅立ちの時にも、柳行李は一緒でした。

故人が眠るお柩の中に、その柳行李を何とか入れて……

そして、柳行李の中には、ご家族や親族が入れた、衣類やお菓子や花。

物にも「気持ち」があるならば、主(あるじ)の自立の人生の始まりと、その終わりに、その柳行李は共に在ることを、誇らしく思っていたのではないかと、感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です